はじめに
新品のエアコンを買ったのに、まったく冷えない。
「初期不良?」「部屋の断熱性能が低すぎるから?」と疑いながら、さまざまな対策を講じましたが、結果は変わらず。
最終的にたどり着いた解決策は、「室外機の排熱の改善」でした。
本記事では、私の体験をもとに、
- エアコンの故障かどうかを確かめるために試したこと
- なぜ新品のエアコンでも効かなくなるのか
- どうすれば改善できるのか
を、順を追って紹介していきます。
我が家のエアコンが効かなくなった時の状況
わが家は、木造最上階・角部屋の低断熱賃貸という、夏にとっては最悪の条件がそろった部屋です。
詳しくは下記記事で紹介していますが、最高で室温が44℃になったこともあります。
断熱性能が高くないため、屋根裏に溜め込まれた太陽の熱がそのまま室内に侵入してくる環境です。
6月にエアコンを新品で購入し、最初のうちは効きも問題なく快適に過ごせていました。しかし、7月に入り、外気温が35℃付近になったあたりから様子が変わります。
日中の最も暑い時間帯に、ただの生ぬるい風しか出てこなくなり、設定温度よりも明らかに高い、室温30℃や31℃までしか下がらなくなりました。ひどいときだとエアコンをつけているのに室温35℃で、エアコンがないよりかはマシというレベルにしか効きませんでした。
エアコンの状態をまとめると以下のとおりです。
- 外気温が高くなるほどエアコンが効かなくなる
- 夜になって外気温が下がってくるとエアコンが正常に動作する
幸いにも別の部屋のエアコンは正常に稼働してくれていたので、気温が高くなる昼間はそちらに退避してやり過ごしつつ、原因を探し始めることにしました。
ガス不足?断熱性が低すぎる?いろいろな原因を検証
まだ設置して1ヶ月程度しか経っていなかったため、初期不良の可能性も視野に入れて、以下のことを順に試していきました。
- 室外機用のアルミカバーを被せて直射日光を防ぐ
→変化は見られず。 - 温度設定を最低(16℃)にする
→まったく冷えず。風は出るがぬるい。 - 風量を最大にする
→温度は変わらず。 - エアコンの自己点検機能を使う
→特にエラーは表示されない。 - エアコンの冷却能力(12畳)より狭い空間(6畳)で効かないか再確認
→温度は変わらず。断熱性能は原因じゃないのかも。 - 夜は設定温度通り動くかを確認
→設定温度と室温がほぼ一致。温度センサーには異常なし。 - ガス漏れの可能性を疑って業者に点検依頼
→ガス充填量は問題なし。エアコン自体に異常は見当たらないとのこと。 - 室外機の位置を少し斜めに変えてみる
→前より良くなったかも?と感じたものの、やはり気温が上がると効かなくなる。
ガス漏れの点検を業者に依頼した際に、室外機の排気に問題があるかもしれないとアドバイスをいただきました。そこで、室外機の位置を少し斜めに変えて、排熱を極力逃がせるようにしてみました。すると、少し高い外気温でも冷えるようになったような気がしましたが、それでも35℃やそれ以上の気温になるとやはり効かなくなってしまいます。
ルーバーで排熱の流れを変えたら、一気に冷えた!
室外機の斜め置きで改善の兆候が見られたので、さらに空気の循環をよくすれば解決するのでは?と考えました。というのも、室外機を置いているベランダが狭く、壁で囲まれた構造のため、いくら斜めにおいても排熱がこもりやすいことには変わりなかったからです。
室外機の周囲温度がメーカーの想定動作範囲を超えると、自動保護機能が働き、運転を停止することもあるそうです。
最近のエアコンは50℃以下であれば使用できるものがほとんどのようですし、我が家で使っているエアコン(AS-AH403N)も50℃まで対応しているようでした(図1)。

しかし、近年の異常な暑さと日光、ベランダの床からの照り返し、それに加えて排熱がこもってしまう環境であれば50℃に到達してもおかしくありません。
ということで、排気のこもりを解消するために室外機用のルーバーを試してみることにしました。
とはいえ、市販されているルーバーは8000円前後とかなり高価。
しかも、効果があるかどうかわからない状態で購入するのはリスクが大きい…。
そこでまずは自作してみることにしました。
使ったのは、次の2つだけで費用はたったの400円ほど。
- ホームセンターで購入したプラダン(プラスチック段ボール)
- 結束バンド
作成方法の詳細は別記事にて紹介しますが、プラダンを風の通り道に合わせて斜めにカットし、結束バンドで室外機の枠に取り付け。
空気の通り道を上方向に逃がすよう調整することで、排気がベランダの壁を超えていくようになりました。
すると設置後すぐに冷房効果が劇的に改善!
それまでの地獄のような室内が、快適空間に変貌しました。
「こんな簡単な工夫で変わるなんて…」と驚いたのと同時に、室外機まわりの重要性を痛感しました。
まとめ
近年の猛烈な暑さでは、エアコン本体だけでなく、室外機まわりの環境も冷房効果に大きく影響します。今回のように、新品のエアコンが効かなくなった原因は、排熱がこもっていたことでした。排気の流れをルーバーで調整するだけで、エアコンは本来の力を発揮してくれます。DIYでも十分効果はありますが、手間をかけたくない方は市販品を活用して、快適な夏を手に入れてください。
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